ガルシアです。
人に迷惑を掛けてはいけない、
と言われます。
良いか悪いかで考えてしまったら、
悪いに決まっています。
迷惑は掛けないに越したことはありません。
誰だって人に迷惑を「掛けたい」
とは思っていないはずです。
でも自分の意思とは無関係に、
人に迷惑を掛けてしまうこともあります。
やがて大人になるにつれて、
どんなに迷惑を掛けないように、
気をつけていても、
時として不本意に人に迷惑を
掛けてしまうことがあることを学びます。
それは避けられないことだと学びます。
そうなると今度は、
「人に迷惑を掛けないように、
なんてできない」
「人は迷惑を掛けて生きていくもの」
「周りの人に知らず知らずのうちに、
迷惑を掛けながらみんな生きている」
だからお互いに感謝することが大切です、
みたいな話が出てきます。
でもそうではありません。
迷惑は掛けちゃいけないものでも、
掛けてしまうものでもありません。
あなたがどうこうできるようなものでは、
無いのです。
迷惑という概念自体が抽象的過ぎて、
その正体もよく分からないうちに、
言葉だけが独り歩きしてしまっています。
迷惑だと感じるのはあなたではありません。
相手です。
つまり相手がどう感じるのかが迷惑の正体です。
相手がそう感じなければ迷惑では無いし、
あなたがどんなに相手の為を思っても、
相手が迷惑だと感じたら、迷惑です。
迷惑にあなたの主導権はありません。
主導権は相手にあります。
迷惑かどうかは相手次第です。
相手のさじ加減で決まります。
あなたに決定権は無いのです。
「相手にとって迷惑にならないように」
と相手を思いやることはできます。
それはあなたの自由です。
そんな自分で生きていきたい、
と望むこともできます。
その選択権はあなたにあります。
でも、いくらあなたが、
「迷惑を掛けない自分になりたい」と望んでも、
それは無理なことです。
あなたに決定権が無いものを、
あなたがコントロールすることはできません。
相手にとって迷惑ではないかな、
と相手の気持ちを思いやろうとすることと、
迷惑を掛けないようにしよう、
とするのは別の話です。
前者はあなたが決めることができますが、
後者は相手の気持ち次第です。
だから、
「迷惑を掛けちゃいけない」でもなく、
「迷惑を掛けないようにしよう」でもなく
「迷惑は掛けてしまうものだ」でもなく、
「迷惑になるかならないかは、
相手が決めること」なのです。
あなたにできることは、
なるべく相手に迷惑を掛けないようにすること、
ではなく、
迷惑じゃないかな、と思いやること。
それでも相手が「全然そんなことないよ」
と本心から思ってくれたら、
きっとあなたは思わず感謝して、
嬉しくなるはずです。
もしも「迷惑を掛けちゃいけない」
と思っていたら、
せっかくの相手の好意も、
「迷惑じゃなくてよかった」と
ホッとするだけかもしれません。
それはせっかくの好意を受け取るチャンスを、
「不快にさせなくてよかった」
と思ってしまう、ということです。
それは、せっかく幸せになれるのに、
「不幸にならなくてよかった」
と思うようなものです。
あなたにコントロールできないことを、
「そうならないようにしよう」
「しなきゃいけない」なんて
無理なことだと気がつかなければ、
できないことをやろうとして、
ずっと不自由で苦しいままになってしまいます。
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