飛行機は滅多に落ちない
だけど、絶対落ちないわけじゃない
風邪をひいても、
インフルエンザにかかっても、
死ぬかもしれないし、
死なないかもしれない
わたしたちは高確率に安心しているだけ
自分だけは違うと思っている
100％じゃないのに安心している
日ごろの生活では、
万が一を忘れている
わたしたちは100％だから安心する
というわけじゃない
落ちるかもしれない、と思うことも
たぶん落ちない、と思うことも、
どちらもその人にとっては真実
「ほんとうは」というのは
その人の主観でしかない
理屈ではなく生理的に怖がっている、
ということを自覚しているか
普通は、
「頭では分かっているけど怖い」
と言う
滅多に落ちない、確率は低い、
ということを分かっている
分かっているけど怖い、と言う
頭ではなにも分かっていないのに
雰囲気だけで怖がるのは変だ
自分がなにに対して怖いと感じているのか
ちゃんと分かっていない
なにに対して怖がっているのかも分からずに、
分からない、ということを怖がっている
《どうなるか分からないから怖い》ですらない
これがこうでこうだから、
どうなるか分からない、ではない
それすら自覚していない
なにに対して怖がっているのか
どうなりそうだから怖いのか
こうなったらこうなるから怖いのか
ちゃんと考えていない
みんなが怖がっているから怖いのか
数字を見て「きっと大丈夫だ」という人
数字を見て「たいしたことない」という人
数字を見た上で「怖い」という人
どれもその人にとっては真実
自分がなにに怖がっているのかを
ちゃんと自覚してみる
なぜ怖いのか
どうなりそうだから怖いのか
もしもそうなったらどうなるのか
ほんとうにそうなったら困るのか
どう困るのか
そうなったときにどんな風に困るのか
その確率はどのくらいか
恐怖にあおられる人は
自分の心が生み出した恐怖心に煽られているだけ
なにに怖がっているのかさえ分からないまま
怖がっている
犬がジェットコースターを怖がるのと同じだ
「むやみに怖がらないでください」というのも
「きちんと怖がることが大切」というのも
どちらも違う
恐怖の対象を自覚していない
恐怖の対象を自覚せずに
怖がってしまうのは集団催眠状態
パニック状態
怖いから怖い、というだけ
理由なんかない
怖がるから怖くなる
冷静に数字を把握する
状況を分析する
その数字に対してどんな感想を持つのかを
自分の主観で決める
なにに対して怖がっているのか、
その正体を見極める
事実だけを観察し、
自分がなにに対して、
どう怖がっているのかをハッキリさせる
なにに対して怖がっているのかが、
分からなくてもいい
分からないことに怖がっている、
ということをちゃんと自覚する
それでも十分に《何に対して》
怖がっているのかを自覚することになる
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